我が子は短頭症(絶壁頭)改善のため、AHSスターバンドで約4ヶ月間ヘルメット治療をしていました。
この記事では、実際にどんなスケジュールでヘルメット治療を進めたのか、治療してみて感じたメリット・デメリットなどを詳しく紹介します。
子どもの頭の形で悩んでいる方、ヘルメット治療について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
ヘルメット治療とは
「ヘルメット治療」とは頭を成長させたい部分に空間があり、反対に成長させたくない部分を抑えておくことができる、オーダーメイドのヘルメットを1日23時間以上着用し続けることで、頭を正しい形へ矯正する治療のことです。
ヘルメット治療で有名な製品は3社あり、「スターバンド」「アイメット」「ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット」です。
治療に要する期間は、治療を始めた時期や頭の成長具合などに左右されて個人差がありますが、3ヶ月〜半年程度です。
治療にかかる費用は製品によって多少前後しますがいずれも約50万円で保険適用外です。
スターバンドの治療スケジュール
我が子は生後5ヶ月〜生後9ヶ月の約4ヶ月、AHSスターバンドで短頭症(絶壁頭)のヘルメット治療をしました。
こちらが実際の治療スケジュールです。
生後3ヶ月21日 | AHSスターバンドの”頭のゆがみ度測定コース”で、短頭症レベル3、斜頭症レベル2の診断。 |
生後4ヶ月29日 | 東京西徳洲会病院でレントゲン撮影。 |
生後4ヶ月30日 | AHSビジターオフィス東京でヘルメット作成用に頭のスキャン。 |
生後5ヶ月16日 | ヘルメット受け取り⇨治療開始。 |
生後5ヶ月24日 | ヘルメットの調整(1回目) |
生後6ヶ月8日 | 頭のゆがみ評価(1回目) |
生後6ヶ月29日 | ヘルメットの調整(2回目) |
生後7ヶ月19日 | 頭のゆがみ評価(2回目) |
生後8ヶ月10日 | ヘルメットの調整(3回目) |
生後9ヶ月7日 | 頭のゆがみ評価(3回目)⇨短頭症、斜頭症ともに標準値となり治療終了。 |
治療している当時は1日1日が長く感じましたが、今振り返るとあっという間の期間でした。
これから、我が子のヘルメット治療体験談について詳しくお話します。
治療を始める前
頭のゆがみに気づいた時期
我が子は生後すぐの時点で、絶壁頭や斜頭症など特に気になるゆがみはありませんでした。
▼入院中
ゆがみが気になり出したのは生後1ヶ月を過ぎた頃です。後頭部が潰れて頭が斜め上に尖りだしたことに気づきました。
これは良くないと思い、絶壁頭に効果があるという赤ちゃん用まくらを使ってみましたが、我が子には効果は見られず、絶壁頭の具合はどんどん進行してしまいました。
▼生後1ヶ月半(左)と生後3ヶ月半(右)の頭の形の比較
▼上から見た時の頭の形
上からみると、後頭部右側がより潰れており、歪みに左右差がありました。
頭のゆがみ度測定コース
治療を始める前に、銀座のAHSビジターズオフィス東京で“頭のゆがみ度測定コース”を受けました。
測定には”スタースキャナー”という専用の測定器を用います。
子どもの頭に白いガーゼ素材の被り物を被せ、スタースキャナーの中で仰向けに寝かせると、ほんの数秒で頭の形が測定できます。
結果もすぐ分かり、我が子は「短頭症のレベル3」かつ「斜頭のレベル2」という診断でした。
正直もっと悪い結果だと思っていて拍子抜けしたのですが治療対象の歪みであることがわかりました。
2023年5月現在、AHSスターバンドの”頭のゆがみ度測定コース”は無料です。
治療を受けるための条件
頭のゆがみ度測定コースの後、すぐにヘルメット治療を始めることはできません。
治療を始めるには条件が2つあります。
一つ目は、首が座っていることです。
これはヘルメットの重さに耐える力が必要なためで、首座りに関しては3,4ヶ月検診でパスすれば大丈夫です。
二つ目は、“病的な頭の歪み”ではないことが専門医によって認められていることです。
頭の歪みのほとんどはむき癖などで生じるものです。
しかし、ごく一部「頭蓋骨縫合早期癒合症」という、頭蓋骨の結合が通常より早いために生じる歪みもあり、この場合ヘルメット治療ができません。
我が家は頭のゆがみ度測定コースを受けた後、提携病院(東京西徳洲病院)の紹介状を書いてもらい、後日撮影したレントゲンの結果、”ヘルメット治療が可能”という診断をもらいました。
ヘルメットの作成
病院を受診した後、我が子が生後5ヶ月を迎える頃、ヘルメットを作成するために改めて頭の測定をしました。
測定したデータを元に、ヘルメットはアメリカで作成されます。
そのため、ヘルメットを受け取って治療がスタートできるまで、さらに2週間ほどかかります。
以上がヘルメット作成までの流れです。
ヘルメット治療の体験談
ヘルメットに慣れるまで
約2週間後、ヘルメットをオフィスで受け取りました。
AHSスターバンドのヘルメットは、外側はプラスチックで硬く、内側は発泡スチロールのような素材で覆われています。
この内側の素材を頭の成長に合わせて少しずつ削っていくことで、歪みを直していきます。これを”ヘルメットの調整”と呼んでいます。
初回はオフィスでヘルメットを30分程度着用し、頭を圧迫しすぎて皮膚が赤くなってしまう部分を調整してもらい、その後へルメットの装置方法を教えてもらう流れでした。
はじめに担当の方にヘルメットをつけてもらうと、我が子は大号泣。
嫌がって泣いている姿を見ると、治療は親のエゴだったかも…という考えもよぎりました。
帰宅してからヘルメット装着の練習を始めました。
まだ腰が座っていない我が子の身体を支えながらヘルメットをかぶせるのが非常に大変で、ここでも我が子は大泣きでした。
ただ、一度着用ができればヘルメットを気にする様子はあまりなく、普段通り過ごせていました。
初日は1時間のみ着用し、徐々に着用時間を伸ばしていきます。
幸いにも、治療開始後しばらくの間トラブルはなく、スケジュール通りに装着時間を伸ばせました。
治療の経過について
治療を始めて2-3週間ほどで、後頭部に丸みが出てきたことを実感しました!
こんなにすぐに改善するのかと非常に驚きました。(それだけ子どもの頭は柔らかく、そして成長が早いということです。)
そこから治療が終わるまで、目に見える形で絶壁頭(短頭症)は改善していきました。
▼横から見た頭の形
▼上から見たら頭の形
測定結果からも改善は一目瞭然です。
▼測定結果
Cephalic Ratio(M-L/A-P)※上から4行目が短頭症の程度を測る指標です。
ざっくり説明すると頭の縦横比を表していて、短頭症が改善されると値が小さくなります。
我が子の場合、治療前:0.977だった値が、治療後:0.884になりました。
これは短頭症のレベル3が標準レベル(レベル0)まで改善したことになります。
そして治療開始から約4ヶ月が経過し、短頭症の値が標準内に入り、ヘルメットのサイズアウトも間近とのことで治療を終えました。
ヘルメット治療のデメリット
子どもの負担になる
ヘルメットの重さは約300gあり、小さな子どもにとって大きな負担になります。
我が子はヘルメットを着用しながらも、ズリバイ・お座り・つかまり立ちと順調に成長してくれましたが、成長発達に全く影響がない、とは言い切れないと思っています。
ヘルメットの手入れが大変
ヘルメットの中は蒸れて汗をかくため、内側が汗で汚れて黒ずんだり、納豆のような臭いがすることもあります。
そのため、ヘルメットを外す際はこまめにアルコールスプレーを吹きかけて、乾いた布でゴシゴシ拭き、天日干しする、などの手入れが必要です。※水洗いは不可です。
治療期間が夏場になったり、汗っかきの子は、ヘルメットの手入れが特に大変かと思います。
肌トラブルが起きる
ヘルメットの中が蒸れることで、おでこや頭に肌荒れが出ることがあります。
肌荒れしたときは、肌荒れを治すことを優先させるため、着用時間を減らしたり、”チューブタイ”というガーゼのような布を挟んでヘルメットを装着します。
我が子も治療開始から1ヶ月半過ぎたころ、おでこに湿疹が出た時期がありました。
病院で貰った薬を塗り、休憩を多めに取ったり、肌荒れ箇所にチューブタイを挟むことでなんとか乗り切りました。
チューブタイを挟んだり、肌荒れのケアは親の負担が大きかったなと感じています。
また、肌荒れはアレルギー発症に影響するとも言われているので、子どものデメリットも理解する必要があります。
治療が高額
ヘルメット治療は保険適用外で約50万円かかり、加えてオフィスまでの交通費も発生します。
とはいえ頭の形は一生モノなので、50万円でその後何十年の悩みから解放される、と考えることもできると思います。
治療できる時期が限られている
ヘルメット治療に最適な期間は、頭が柔らかくて頭の成長が大きい、首座り〜1歳頃までととても短いです。
このタイミングを逃すと、治療が長期におよぶ、ヘルメットを複数回作成する必要が出る、そもそも治療ができなくなる、子どもの記憶に残る、など問題が発生するので、ゆがみに気付いたらすぐに行動する必要があります。
ヘルメット治療をやってみた感想
デメリットもあって当時は非常に大変でしたが、ヘルメット治療をして本当によかったです!
もし治療をしていなかったら、一生後悔が残っていたと思います。
我が子にもきっと感謝されるだろうと思ってます。
頭の歪みが心配という悩みに対して、「うつ伏せやお座りするようになったら治る」とか「髪が生えたら気にならなくなる」などの答えをよく目にします。
しかし、我が子の経過を見ていた私の意見は、「何もしなければ頭のゆがみは治らないし、髪が生えても歪みは気になる!」です。
繰り返しになってしまいますが、ヘルメット治療を受けられる期間は短いので、子どもの頭のゆがみが気になっている方は早め早めに行動をされることをおすすめします。
そして、この記事が子どもの頭のゆがみが気になっている保護者の方の参考になれば嬉しいです^^
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